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2015.9.3mf

遺留分権利者の価額弁償請求権について遅延損害金が発生する時期

弁護士河原崎弘

遺贈についての減殺請求

(金銭の遺贈の場合)

受遺者などが、金銭の遺贈を受け、遺留分減殺の請求を受けた例では、減殺請求を受け、金銭の支払い請求(不当利得返還請求)を受けた翌日が、遅延損害金の起算日です。

(不動産などの遺贈の場合)

ところが、受遺者が不動産など現物の遺贈を受けている場合は、別です。 遺留分減殺請求権は形成権ですから、遺留分減殺の意思表示により、対象が不動産なら、遺留分不足額の割合の不動産所有権(通常は、持分)が遺留分 権利者に帰属(権利の発生)します。
遺留分の請求を受けた受遺者など は、価額弁償の意思表示をして、現物が遺留分権利者に帰属すること(正確には、遺留分権利者の権利が確定すること)を防ぐことができます。
この場合、価額弁償請求権について、いつから遅延損害金が発生するのでしょうか。

判例によると、受遺者が、価額弁償の意思表示(民法1041条)をすると、遺留分権利者は、現物返還請求権および価額弁償請求権の2つの権利を取得し、いづれかを行使できます。ただし、この 段階では、権利は確定していないようです。

遺留分権利者が、価額弁償を請求する意思表示をすると、遺留分権利者の価額弁償請求権は確定しますので、その翌日から遅延損害金が発生します。換言すれば、受遺者などが、価額弁償の意思表示をし、遺留分権利者が 価額弁償額を請求しない限り、遅延損害金は発生しないのです。
なお、受遺者からも、弁償すべき額の確定を求める訴を提起できます。

価額弁償の意思表示と価額弁償請求の関係
当事者受遺者など遺留分権利者
意思表示価額弁償の意思表示価額弁償を請求する意思表示  この請求日の翌日が遅延損害金の起算日
取得する権利現物返還請求権失う
価額弁償請求権価額弁償請求権
状態上記権利を取得、いずれかを
行使できる。
確定的でない
確定的

判決

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2014/11/14