具体的な内容が不明ですが、弁護士会での懲戒処分で、戒告は、注意するだけで、一番軽い処分です。
弁護士に対する弁護士会の懲戒処分 を見てください。
弁護士の怠慢のために、損害賠償請求権が時効消滅したのなら、弁護士に損害賠償義務がありますね。
似た事件の判決を下に掲載しました。
この事件は、交通事故(死亡事故)の事実関係の調査と加害者に対する損害賠償請求を委任された弁護士が、事実関係を十分調査せず、かつ、損害賠償請求権を時効消滅させたとして、裁判所は、依頼者に対する約6800万円の損害賠償責任を認めています。
原告らは、本件事故による損害賠償請求権の消滅時効期間を徒過したうえ、その隠蔽を図ったとして、弁護士会に対し、被告の懲戒を申立て、弁護士会の懲戒委員会は、被告弁護士にを戒告に処すると議決しました。
これに対し、原告らは異議の申出を、被告弁護士は審査請求をそれぞれ行い、日本弁護士連合会は、被告弁護士に対する懲戒処分を1か月間の業務停止に変更しました。
東京地方裁判所平成16年10月27日判決
何らの措置も取らなかった以上,被告(弁護士)は,債務不履行の責を免れないというべきである。
(2)消滅時効の完成について
ア(ア)既に認定判断したとおり,被告は,原告子原ら及び原告C子から,寅沢らに対して損害賠償を請求することを委任されていたところ,弁護士である被告として
は,寅沢らと当面は示談しないとの意向を表明していた原告子原ら及び原告C子に対し,消滅時効に関する正確な知識を提供するとともに,寅沢らに対する損害賠償請求
権の消滅時効期間が経過する平成5年8月31日までに,寅沢らに対する方針の再考を促し,訴えの提起等の時効中断のための措置を講ずるべきであったというべきであ
る。また,消滅時効期間の経過は,寅沢らに対する損害賠償請求権の消滅事由となる重要な事項であったから,弁護士である被告は,委任者である原告子原ら及び原告C
子と,その対応を十分に協議すべきであったというべきである(民法第645条参照)。
したがって,弁護士である被告が,これらの措置を何ら講じないまま漫然と消滅時効期間を進行させ,原告子原ら及び原告C子と,その対応を協議しなかったことは,
委任契約に基づく債務の不履行に当たると判断するのが相当である。