離婚訴訟中です。
2年9ヶ月前(H20.1)に離婚調停を開始。10ヵ月後に調停は不調となり、H21.1より離婚裁判中です。裁判所の預貯金の嘱託調査(H22.3実施)の中で子供名義の預金(大学進学費用として貯めていたもの。現在18歳の子供名義)を相手方(妻)が全額(約300万円)引き出していたことが分かりました。子供は、離婚調停開始前から私(夫)が養育しています。預金は、相手方が管理していました。
相手方は、既に全額費消済みと主張しています。
この時、離婚訴訟とは別に、子供が、母親に対して預金の返還訴訟を起こすことは可能でしょうか。一応、母親も親権者であり、生活費のために費消してしまったと主張されると返還義務がないような気もいたします。一方で、感情的には、養育していない子供の預金を引き出すことには、怒りを禁じえません。
ちなみに、子供は、大学進学費用として、預金してもらっていたことは理解しており、今回、母親が使ってしまったことに対しては怒っています。
また、裁判所の嘱託調査自体は、6ヶ月前ですが、預金の引き出しは、2年以上前に行なわれており、消滅時効ではないかとも思います。
子供も、大学進学を控えており、預金がないと大変困ります。なにとぞお知恵を拝借させて頂けると助かります。宜しくお願い致します。
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RE[2108]: 子供名義の預金の引き出しに対する返還請求
ポパイ
さん 【2010/09/07(Tue) 07:35:50】
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子供が、母親に対して預金の返還訴訟を起こすことは可能です。しかし、預金は夫婦の財産です。そのような訴訟は意味がありません。
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RE[2108]: 子供名義の預金の引き出しに対する返還請求
目白のたぬき
さん 【2010/09/07(Tue) 16:42:35】
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ポパイさん、ご回答ありがとうございます。
ところで、夫婦の財産とありますが、もう少し詳しくお教え頂けませんでしょうか。私の説明が足りなかったようですが、今回、預金については、子供は贈与をされているという認識があります。18歳ですので、そういった認識は十分にできています。また、その使途も、大学受験費用として明確にしています。それでも夫婦の共有財産とされてしまうのでしょうか。
実際、
子名義の預金(240万円くらい、三女130万円くらい)について、子に対する贈与の趣旨でなされたと認めるのが相当として、財産分与の対象にはならない
とした判例(高松高判平成9・3・27)もあると理解しております。
宜しくお願いいたします。
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RE[2108]: 子供名義の預金の引き出しに対する返還請求
ポパイ
さん 【2010/09/08(Tue) 16:41:35】
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そうですね。判決(高松高判平成9・3・27)は、子供名義の預金は子供に権利があり、財産分与の対象ではないと言っています。
そうなると、子供から母親に対し、引き出した金員の返還請求ができそうですね。
高松高裁の判決を載せておきます。この判決は、離婚に伴う財産分与において夫婦関係が円満に推移していた間の婚姻費用の清算は認められないとした点に力点があります。
高松高等裁判所平成9年3月27日判決
「四 財産分与の申立てについて
1 証拠(乙二、控訴人本人、被控訴人本人、弁論の全趣旨としての被控訴人の平成八年八月三〇日付準備書面・控訴人の平成八年九月二四日付準備書面の各記載、認定
事実中括弧書きの証拠)を総合すれば、財産分与の対象財産としては、(1)婚姻前からの控訴人所有地に昭和五三年二月新築の木造瓦葺二階建居宅一棟(床面積一階四
九・四〇平方メートル、二階四三・三二平方メートル、平成五年度の固定資産税評価額三〇六万四二三七円)(甲三の1・2、四)、(2)控訴人の親族からの借地に昭
和五三年一一月新築の鉄骨造スレート葺平家建工場一棟(床面積四七・二四平方メートル、平成五年度の固定資産税評価額一〇一万五五四六円)(甲三の3、四)及び工
場備付物・供用物、(3)控訴人名義の預金一〇六万六八五三円、被控訴人名義の預金二一一万二へ人円、(4)控訴人の弟に対する貸金一五〇万円、(5)積水ハウス
株式一〇〇〇株、ソマール株式一二〇株一五万八四〇〇円、(6)第一勧業銀行高松支店普通預金七二五四円、(7)小規模企業共済積立金一二二万円(甲二〇)がある
ことが認められる。このほかには、控訴人及び被控訴人の各主張財産の存在を肯認できる的確な証拠はない。なお、控訴人は、右認定の財産のほか、長女春子名義の預金
二四三万三五四六円及び三女秋子名義の預金一三七万三九九一円も、財産分与の対象に含めるべきであると主張するが、いずれも子に対する贈与の趣旨で預金されたと認
めるのが相当であるから、財産分与の対象財産とならない。
2 控訴人は、婚姻期間中控訴人が過当に婚姻費用を負担したから、その過当に負担した婚姻費用も、離婚に伴う財産分与に際して清算されるべきであると主張するので、
この点を検討する。
離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるに当たっては、夫婦の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を
定めることができると解するのが相当である(最高裁昭和五三年(オ)第七〇六号、同年一一月一四日第三小法廷判決・民集三二巻八号一五二九頁参照)。
しかしながら、
夫婦関係が円満に推移している間に夫婦の一方が過当に負担する婚姻費用は、その清算を要する旨の夫婦間の明示又は黙示の合意等の特段の事情のない限り、その過分な
費用負担はいわば贈与の趣旨でなされ、その清算を要しないものと認めるのが相当である。しかるところ、右の特段の事情の認められない本件においては、夫婦関係が破
綻にひんした後に控訴人が過当に負担した婚姻費用に限り、その清算を財産分与に際して求めることができるというべきである(出典:判例タイムズ956号248頁)
。